コードから作るか、コードありきか~自由回答AC

「作る」帰納法と「使う」演繹法

自由回答のアフターコーディング(AC=After coding)とは、回答文章(テキスト情報)という質的なデータをコードという記号(数値)に置き換えて量的な分析を行うことを可能にする作業です。

アフターコーディングを行うには、2つの方法があります。ひとつは回収したデータを自分で読み込み、適切なコードを作成し、分類、統合してコードリストを完成させていく方法です。一定のコーディングルールを新たに作成していく点で帰納的な(inductive)コーディング方法と言えるでしょう。

もうひとつは、元々存在するコードリストを使用して、個々のコードに当てはまる回答があれば適宜そのコードをを適用していく方法です。こちらは前提のルールを示している点で演繹的な(deductive)方法になります。

コードを新規に作成する(帰納法)

コードを新たに作成するのは、第一段階としてまず文章を読み込み、そのような意見が出てくるのか内容で分類し、似たような内容はカテゴリでまとめていきます。第二段階として、ある程度完成されたコードリストを元に改めて回答にコードを振っていきます。作業中に適宜コードは追加、修正しながらコードリストを完成させていきます。既存のルールに縛られることなく自由にコードを作成できるので、コンセプト調査や新たな発見を求めるような調査などはこの方法が向いているでしょう。コードの作成方法については「自由回答のACコードの作り方」でも説明しています。

コードから作成

既存のコードを適用する(演繹法)

既存のコードを使用する場合は、そのコードにはどのような回答、フレーズが含まれている(含まれていないか)を事前にチェックし、回答を順番に見ていき、あてはまる回答があればそのコードを割り振っていきます。定点観測では調査結果を時系列で比較する際、コード内容が毎回異なると分析できなくなってしまうので、コードが常に統一されていることが重要です。また同じ製品カテゴリの調査では、同じ内容の意見はできるだけ同じフレーズで揃えて一貫性を保っておくことが、後に比較して分析する際にも重要になってきます。

コードを使用

コードを参照しつつ、新規に作成するハイブリッド型

まっさらな状態からコードを作成するのではなく、既存のコードリストを参照して取り入れつつ、新たなコードを作成していきます。実際の業務ではこの形で進めることが非常に多いです。もちろん過去に全く例のない調査対象であるときは新規にコードを作成しますが、大抵何かしら参考になるコードがあるものです。

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