自由回答のACコードの作り方

AC(アフターコーディング)とは

自由回答(OA=Open answer)のアフターコーディング(AC=After coding)とは、回答文章(テキスト情報)という質的なデータをコードという記号(数値)に置き換えて量的な分析を行うことを可能にする作業です。

作業手順

作業手順としては、まずコードリストを作成することから始まります。コードリストはコードフレームと言ったりもします。コード化は、最小でも2件程度からが望ましいと思います。件数はサンプル数にもよりますが(件数が多ければコードも細かく作成できます)、コーディングルールと言って最終的に作業方針として確定します。

コード化

例えば、ある炭酸飲料の飲用後の感想についてコード化しようとします。
「炭酸が効いててさわやか。甘さも少なく、後味がすっきり」
この回答の中でコード化できる情報は、
①炭酸が効いて②さわやか③甘さも少なく、④後味がすっきり
の4つになりそうです。「なりそう」というのは、これらの回答内容が全体の中で複数出現してこないとコードを立てる意味がないので、この時点では「なりそう」なのです。例えば100件のサンプル数の中で
「②さわやか」
が1件しか出てこなければ、この回答は、例えば「その他」というコードに割り振ります。
また以下のような回答の場合、
「とてもおいしい。甘さがしっかりしている。でも後味がしつこい」
コード化できそうな情報量はどれだけありそうでしょうか?
①とてもおいしい②甘さがしっかりしている。でも③後味がしつこい
このように3つできそうですが、「①おいしい」はそれほど具体性のある情報でしょうか?
知りたいのは「どのように」おいしいのかという具体性です。このような漠然とした回答、
ただし好意的な回答という点ではひとつの情報になるような回答は、
「とてもおいしかった。」
だけで他に具体的な回答が出てこないような場合にだけ、コード化するというルールを作り、
コードリストとしては、
「(単に)おいしい」
と表記したりします。

コードリスト

このように各対象者の回答内容を情報として分解・分類していき、複数出現する回答はコード化していき以下のようなコードリストができあがります。
ポジ
(01)(単に)おいしい
(02)甘さがしっかりしている
(03)甘さが少ない
(03)後味がさわやか


ネガ
(50)(単に)おいしくない
(51)後味がしつこい


実際のデータ入力は、回答文章が入力されている列の隣の複数列に
例えば「02」「04」「51」
と打ち込んで行きます。
では全体のサンプルのうち、どの程度の件数を見てリストを作成すればよいでしょうか?
これはケースバイケースですが、半分程度見てドラフトとして作成し、関係部署の方と共有して了解が得られれば残りを作業しながら進めていくこともできます。
またサンプル数が1,000件、5,000件と多くなれば同じ回答の出現率も高まりますので、より細かいコード立てが可能になります。例えば、
ポジティブ意見
味(net)
(単に)おいしい
コクがある
さわやかな味
甘さ(net)
甘さがしっかりしている
甘さがちょうどよい
甘くなくてよい
炭酸(net)
炭酸が強い
炭酸がちょうどよい


のようにポジティブ、ネガティブの他に「味」や「甘さ」「炭酸」などで中分類することも可能になり、量的により細かい分析が可能になります。
<こちらの記事も>
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