クロス集計表のチェック10項目
クロス集計表がUPされたら、まずチェックしておきたいポイントです。集計仕様の作成段階の参考にもして頂けると思います。
目次
設問選択肢の設定モレはないか
SA(単一回答)では合計100%になっているか。MA(複数回答)では100%以上になっているか。
基本統計値の有無
5段階評価等ではtop2,bottom2や加重平均のスコア等が盛り込まれているか。また、頻度等を聞く設問、例えば、週に1回、月に1回未満etcといった選択肢の場合、それぞれ(1)、(0.25)等のウェイトをかけることでスコア化(平均値算出)することができます)
ストーリー的におかしくないか
例えば複数コンセプトの評価では、評価の高いコンセプトの項目別評価が全て低いなどの矛盾かないかどうか。あれば集計プログラム上の設定エラーかもしれません。これで間違った集計表を出すと致命的です。単にプログラム的なチェックの他に、調査結果の流れで見ていくこともチェック段階では大事です。
サマリーテーブルの有無
項目別評価の設問などでは、項目毎の集計テーブルの他にTop2や平均値スコアでまとめた全項目の一覧テーブルなどがあると、その後の分析、報告書用のグラフ作成などが楽です。
クロス軸の設定は正しいか
軸に設定されている条件と該当設問のテーブルをクロスして100%になっているかチェックします。例えば男性10代という軸では性別と年代のテーブルでそれぞれ100%になっていなければなりません。男女が逆になってたりしませんか。
クロス軸の母数は十分か
絶対条件ではありませんがn=30以上は欲しいところです。n=5とかn=10でパーセントを比較するのはあまり意味がありません。n=10ではたった1人の増減で10%増減してしまいます。集計ソフトの有意差検定プログラムでもn=30未満は検定から除外するものもあります。
テーブル毎のベース数
条件分岐のかかった設問の場合、通常その設問の集計テーブルのベースは、その条件で絞られた対象者数で設定します。全対象者ベースで集計すると%の値は小さくなり無回答が出現してしまいます。
選択肢が多い設問ではnet値も有効
特に自由回答のアフターコーディングの集計で多用されます。次の例ではおいしい~高級な味がするの総計は43%ですが、このうちひとつでも回答した人(味について何かしら回答した人=net)は、複数回答の人がいるので総計より少ない25%になります。このように多数の項目をまとめて見ることで新たな視点で分析できます。チェック時にはこのnet値が正しく設定されているかチェックします(総計>=net)。
味について(net) 25%
・(単に)おいしい 20%
・甘い 10%
・こくがある 8%
・高級な味がする 5%
「その他(具体的に: )」の出現率
出現率が比較的高いときは、具体的な回答内容をチェックして必要であればアフターコーディングして具体的項目として集計表に追加してもよいでしょう。次回以降の選択肢設定の参考になります。「その他」が多く選択されてしまうのはあまりよい設問設計ではありません。
%表と実数表を使い分ける
まず、%表と実数表は分けて出力したほうが見やすいと思っています。%と実数が上下で同じテーブル内に表示されている集計表もたまに見かけますが、グラフが作成し難かったりします。%は傾向、実数値はボリュームで見ていきます。%だけにとらわれていると1人、2人の増減に一喜一憂してたりします。
以上、無理矢理キリのよい10項目にまとめた感が歪めませんが参考にして頂ければ幸いです。