評価質問のワーディング・集計(1)

ある事柄について評価させる場合、「非常によい/ややよい/どちらともいえない/あまりよくない/全くよくない」といった5段階評価で聞くことがよくありますね。「評定法」の中の「カテゴリー尺度法」と言ったりしますが、

このタイプの選択肢の設定にはいくつか方法があります。またワーディングについてもちょっとした違いで結果に影響を与えることもあります。
A)
5.非常によい
4.ややよい
3.どちらともいえない
2.あまりよくない
1.全くよくない
と、

B)
5.よい
4.ややよい
3.どちらともいえない
2.あまりよくない
1.よくない

ではA)のほうが回答が中立(どちらともいえない)へふくらむ傾向があります。「非常に/全く」といった極端な回答が避けられる保守的な心理が働くからです。できるだけ選択肢間の心理的な距離が等しくなるのが理想ですが、そうなるとB)のほうがより等距離のようです。

そこを注意すれば「非常によい」でなくて「超クール・・」、「かなりやばい・・」でもよいわけですが、アンケートの対象者を見極めてワーディングすることが大事です。また、B)に「非常に/全く」を加えたい場合は次のように7段階評価にする方法もあります。

7.非常によい
6.よい
5.ややよい
4.どちらともいえない
3.あまりよくない
2.よくない
1.全くよくない

また両端以外の選択肢にワーディングをあえて設定しない方法もあります。

10.非常によい
9
8
7
6
5
4
3
2
1.全くよくない

これは「単極尺度(monopolar scale)」と言います。対象者がワーディングにあまり影響されないで回答することができます。また、次のように反対語を両端に置く方法もあります。「両極尺度(bipolar scale)」

5.積極的なほうだ
4
3
2
1.消極的なほうだ

ちなみに
5.積極的
4
3
2
1.積極的でない
は単極尺度になります。

次回はこのような評価尺度の集計方法についてお話しします。