便利な「2標準偏差」ルール

「正規分布する変数が、平均値から正負を問わず2標準偏差内にある確率は95パーセントである」(イアン・エアーズ著「その数学が戦略を決める」より)
これは便利なルールです。元々このような統計的理論は存在しているわけですが、それをこのような単純な文章でルール化することで私たちのデータの捉え方に新たな視点を与えてくれるわけです。
例えば、
ある調査の対象者150人の年齢が平均40才で標準偏差が10才だったとします。2標準偏差ルール(2SDルール)を使えば、この調査の対象者の95%の人は20才から60才であると言えます。つまり40才-(10才x2)から40才+(10才x2)。すなわち、この対象者からランダムに1人抜き取ったときその人の年齢が20才から60才の間である可能性は95%ですよ、ということになります。
もちろん、このことを深く理解するには、「正規分布」、「標準偏差」とは一体何かと理解する必要がありますが、ひとまずそれは置いといて、平均値と標準偏差さえあれば、「○○が○○~○○である確率は95%」と推測することができるのだ、ということだけでも覚えておいて損はないと思います。
以下はExcelでの平均値、標準偏差の出し方です。(上から平均値、標準偏差、結果)

○「その数学が戦略を決める」・・非常に面白い内容です。


「2標準偏差ルール」の出典・・・「第8章.直感と専門性の未来・・・統計や数学の知識が世の中の必然となる。2SDルールとベイズ理論がわかれば、あなたの未来はあかるいぞ。」より
(SDとは標準偏差の英訳、Standard Deviationの略です。業界ではよく使われる言い回しです)